自作AIエージェントを売る方法|4つの販売経路とEmployee Storeへの出品の流れ
・ Employee Store 運用局

この記事のまとめ
自作のAIエージェントを売る経路は、大きく4つあります。経路によって、自分で用意するものと、確かめるべきルールが変わります。この記事では4つの経路の違い、ツールのライセンスの注意点、Employee Store に出品する流れを説明します。
販売の経路は4つ
自作のAIエージェントやワークフローを売る方法は、次の4つに分けられます。1つに絞る必要はありません。組み合わせて使う人もいます。
| 経路 | 売るもの | 自分で用意するもの | 確かめること |
|---|---|---|---|
| 自分のサイトで売る | AIエージェントの利用権、ワークフローのファイル | 集客、決済、納品、サポート、販売ページの表示 | 特定商取引法の通信販売の表示 |
| 受託・運用代行 | 作る作業、設定、保守 | 営業、見積もり、契約 | 使うツールのライセンス |
| テンプレートを公開する | ワークフローやアプリのテンプレート | テンプレートの説明と設定手順 | 各ツールの公開の条件と審査 |
| マーケットプレイスに出品する | AIエージェントの導入 | 動くAI、説明、導入手順 | 掲載の条件と手数料 |
何を、どう売りたいか
1. 自分のサイトで売る
自分のサイトで売ると、価格や売り方を自分で決められます。その代わり、集客、決済、納品、問い合わせへの対応をすべて自分で用意します。
インターネットで売る場合、特定商取引法の通信販売のルールが関わります。消費者庁の特定商取引法ガイドは、通信販売の広告に表示する事項として、次のようなものを挙げています。
- 販売価格(役務の対価)
- 代金の支払時期と方法
- 商品の引渡時期、役務の提供時期
- 契約の申込みの撤回または解除に関する事項
- 事業者の氏名(名称)、住所、電話番号
- ソフトウェアに関する取引である場合は、その動作環境
- 契約を2回以上継続して締結する必要があるときは、その旨と販売条件
月額で売る場合や、動作に特定のアカウントが要る場合は、特に表示を確かめます。全部の表示事項と例外は、出典の特定商取引法ガイドで確かめてください。
納品の方法も自分で決めます。誰でも開けるURLを送ると、買っていない人にも使われるおそれがあります。購入者ごとにアカウントを発行する、期限付きのリンクにするなど、相手を限れる形にします。APIキーやパスワードは直接送らず、購入者が自分で発行する手順を案内します。
2. 受託・運用代行として売る
相手の会社ごとにAIエージェントを作り、設定し、保守する売り方です。売るのは、作る作業と運用の手間です。
n8n で作る場合は、ライセンスを確かめます。自分のサーバーで動かす n8n は Sustainable Use License で提供されています。n8n のライセンスFAQは、次のことをできることとして挙げています。
- 顧客が作成や編集をできない形で、自分のインスタンスで顧客向けの自動化を作る
- ワークフローの作成、設定、保守の料金を顧客から受け取る
- 研修やコンサルティングの料金を顧客から受け取る
- 自分の製品の裏側で n8n を使い、利用者に自分が作った自動化を使わせる
同じFAQは、できないこととして、n8n をサービスとしてホストして顧客にワークフローを作らせること、n8n のブランドを外してそのまま提供することなどを挙げています。迷う場合は、FAQにある n8n の窓口に確かめます。
受託では、作った後の扱いを契約で決めておきます。決めておく点は次のとおりです。
- どこで動かすか:自分のサーバーか、相手の会社の環境か
- 誰のアカウントを使うか:連携するサービスとAIモデルのアカウント
- 保守の範囲:不具合への対応、連携先の変更への対応、対応しない作業
- 契約が終わったとき:ワークフローやデータをどう引き渡すか、または消すか
同じ仕組みを複数の会社に納めるようになったら、受託からマーケットプレイスへの出品に切り替える選択肢もあります。相手ごとの営業と見積もりの手間が減ります。
3. テンプレートとして公開する
n8n と Dify には、利用者がテンプレートを公開できる仕組みがあります。ツールの利用者に見つけてもらいやすい経路です。
- n8n:Creator hub から申し込む。新しいクリエイターは1件ずつ提出し、承認されてから次を出せる。承認されたテンプレートが3件になると認証済みのクリエイターになり、有料のテンプレートを公開できるようになる
- Dify:クリエイターセンターからテンプレートを提出する。提出後は審査待ちの状態になり、承認されるとマーケットプレイスに公開される。アプリで使うプラグインは、マーケットプレイスから入れたものである必要がある
Dify のドキュメントは、テンプレートの名前だけで、どこで動き何をするかが分かるようにすることを勧めています。名前の例として、チャネルや対象とコアタスクを組み合わせる形を挙げています。カテゴリは、内容を最もよく表す1〜3個だけを選ぶよう求めています。
テンプレートは、買った人が自分の環境で設定して使う形です。導入の支援や保守まで含めて売りたい場合は、ほかの経路と組み合わせます。
4. マーケットプレイスに出品する
AIエージェントを探している会社が集まる場所に出品する方法です。決済や納品の仕組みを自分で作らずに売れます。その代わり、手数料がかかり、掲載の条件と審査に従います。
マーケットプレイスを選ぶときは、次の点を比べます。
- 手数料:いつ、何に対して、何%かかるか。掲載料や初期費用があるか
- 決済:買い手がどの方法で払うか。月額か、買い切りか
- 納品:納品物をどこで渡し、受領をどう確かめるか
- 審査:出品の前に何が確認されるか
- 支払い:出品者に売上がいつ、どう支払われるか
- 形式:自分の作り方(n8n、Dify、自社開発など)が掲載できるか
価格を決める前に整理すること
AIエージェントは、売った後も費用と手間がかかることがあります。価格を決める前に、次の点を整理します。
- AIモデルの利用料:買い手のAPIキーで動かすか、自分のAPIキーで動かすか
- 動かす場所の費用:クラウドのプラン、または自分のサーバー
- サポートの時間:問い合わせ、不具合の調査、設定の変更
- 更新の手間:連携先のサービスやAIモデルが変わったときの直し
自分のAPIキーで動かすと、買い手が使うほど自分の支払いが増えます。買い手のAPIキーで動かす場合は、その費用が買い手にかかることを、販売ページに書いておきます。どちらの形でも、サポートの範囲と期間を先に決めておくと、価格に含める手間を見積もれます。
売る前に確かめるライセンス
どの経路でも、作るのに使ったツールのライセンスと規約を確かめます。
| ツール | 確かめること |
|---|---|
| n8n(自分のサーバー) | Sustainable Use License。利用は自社の業務目的、非商用、個人の利用に限られる。FAQは作成・保守の料金を取ることを認め、顧客にワークフローを作らせるサービスは認めていない |
| Dify(自分のサーバー) | 商用での利用は認められている。書面の許可なくマルチテナント環境を運営する場合や、フロントエンドのロゴ・著作権表示を消す場合は、商用ライセンスが必要 |
| GPTs | 個人の ChatGPT アカウントでは新規作成・公開ができない。カスタムGPTは2026年12月11日に提供終了予定 |
GPTs で作ったものを売る場合は、提供終了日の後にどう使い続けるかを、買い手に説明できるようにしておきます。3つのツールの違いはn8n・Dify・GPTsの違いで比べています。
Employee Store に出品する流れ
Employee Store は、開発者が作ったAIエージェントを、会社が買い切りや月額で導入できるマーケットプレイスです。形式は問いません。n8n や Dify のワークフロー、自社で開発したエージェントなどを掲載できます。
- 1出品フォームに登録
- 2審査Employee Store 運用局が確認
- 3公開
- 4雇用されると通知が届く
- 5納品ボックスで納品
- 6購入者が受領を確認
- 7レビュー
- 出品フォームに、AIエージェントの内容を登録する
- Employee Store 運用局が内容を審査する
- 審査を通ると公開される
- 会社に雇用されると、通知が届く
- サイト内の納品ボックスで、導入に必要なものを納品する
- 購入者が内容を確かめ、受領を確認する
- 取引の後にレビューが付く
費用と手数料
掲載料と初期費用はかかりません。手数料は成約金額の20%で、成約したときだけ発生します。たとえば成約金額が1万円なら、手数料は2,000円です。
掲載料・初期費用はかからない
購入者の決済は Stripe で行われ、価格は買い切り・月額・初期費用+月額のいずれかです。月額の解約は、取引ルームの契約管理から手続きできます。出品者の売上は、購入者の受領確認後、または納品から14日後に出金できるようになります。マイページの「売上と出金」から¥500から申請でき、送金は Employee Store 運用局が手動で行い、通常5営業日以内に着金します。振込・送金手数料は出金額から差し引かれます。
出品の前に用意しておくもの
- 実際に動くAIエージェント
- AIに任せる作業と、人が確認する作業の区別
- 購入者が自分で使い始められる導入手順
- 必要なアカウントやAPIと、その費用を誰が払うかの説明
1人(1社)で複数のAIを掲載できます。Employee Store は立ち上げたばかりで、初期の掲載パートナーを募集しています。出品ページに何を書くかはAIエージェントの説明の書き方で説明しています。詳しい条件は出品者向けの案内をご覧ください。
よくある質問
- 個人でも出品できますか?
- 出品は1人でも1社でもでき、それぞれ複数のAIを掲載できます。
- 手数料はいつかかりますか?
- 成約したときだけです。手数料は成約金額の20%です。掲載料と初期費用はかかりません。
- GPTs で作ったものも出品できますか?
- GPTs も出品形式にありますが、OpenAI はカスタムGPTを2026年12月11日に提供終了する予定と公表しています。これから出品するなら、n8n や Dify のワークフロー、自社で開発したエージェントなど、提供終了の影響を受けない形にしておくと、購入者が長く使えます。
- n8n のワークフローを有料で納品してよいですか?
- n8n のライセンスFAQは、ワークフローの作成、設定、保守の料金を受け取ることを認めています。n8n をサービスとしてホストし、顧客にワークフローを作らせる形は認められていません。迷う場合は n8n の窓口に確かめてください。


