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AIエージェントとRPAの違い|ルール通りの自動化と判断を伴う自動化

・ Employee Store 運用局

この記事のまとめ

RPAは、決めた手順をシナリオどおりに繰り返す自動化です。AIエージェントは、入力を読んで判断し、次の手をその場で決める自動化です。すでにRPAやVBAで自動化している会社は、置き換えるより、足して組み合わせる方が合う場合があります。この記事では、違いと選び方、組み合わせ方、移行の確認事項を説明します。

この記事の内容は、2026年10月2日に総務省・経済産業省の資料と各社の公式ドキュメントで確かめたものです。製品の機能は変わることがあります。末尾の出典から最新の内容を確かめてください。

AIエージェントとRPAの違いは、判断をどこで決めるかにあります。RPAでは人が前もってすべての条件を書きます。AIエージェントでは、書ききれない判断の一部をAIがその場で行います。

RPAは決めた手順を正確に繰り返す

総務省の自治体向けRPA導入ガイドブック(令和7年7月)は、RPAを、人が行う定型的なパソコン操作をソフトウェアのロボットが代わりに行う仕組みと説明しています。操作を記録し、処理のルールを定めたシナリオに沿って、表計算ソフト、業務システム、Webサイト、メールなどをまたいで動かします。

同じガイドブックは、RPAは与えられた入力とシナリオのとおりに動くと書いています。人のように状況に応じて判断し、迷ったら指示を仰ぐことはできません。そのため、判断が要らない作業か、判断の条件をすべて書ききれる作業を切り出して任せます。

このように、決めたルールのとおりに動く自動化は、ルールベースの自動化と呼ばれます。エクセル操作を自動化する表計算ソフトのマクロ(VBA)も、その一種です。ガイドブックは、マクロは表計算ソフト中心の作業を自動化しやすい一方、ほかのアプリとの連携は基本的に難しいと比べています。作る人が限られるため管理が属人的になりやすく、異動で引き継ぎがうまくいかないと中身が分からなくなることがあるとも書いています。

導入にかかる期間の目安も比べられています。RPAは数週間から数か月、マクロは数日から数週間です。業務システムを新しく作る場合は、大きな内容だと1年以上かかります。RPAは、業務システムを入れるほど件数が多くなく、マクロだけでは自動化しにくい仕事を、比較的低い費用と短い期間で自動化できるとされています。

AIエージェントは読んで判断してから動く

AI事業者ガイドライン(第1.2版)は、AIエージェントを、特定の目標を達成するために、環境を感知し自律的に行動するAIシステムと定義しています。中心にはLLMがあり、指示と状況を読んで、次にどのツールを使うかを決めます。

たとえば n8n の AI Agent ノードは、チャット用のモデルと1つ以上のツールをつなぐと、仕事を終えるためにどのツールを呼ぶかをエージェントが決めます。RPAのシナリオのように、操作の順番を1つずつ書く作りではありません。

そのため、形式がそろっていないメールや文書を読み、内容に合わせて処理を変えることができます。総務省のRPAの解説は、自動化を3段階に分け、AIと連携して一部の非定型業務まで自動化する段階を挙げています。AIエージェントは、この判断を伴う自動化を担う仕組みの1つです。

一方で、LLMの出力は毎回同じとは限りません。個人情報保護委員会は、生成AIの応答は確率的な相関関係にもとづいて作られるため、不正確な内容が含まれることがあると注意を呼びかけています。

違いを表で比べる

RPAとAIエージェントの違い
比べる点RPAAIエージェント
動き方シナリオに書いた手順どおりに動くLLMが次の手をその場で決める
得意な入力形式が決まったデータ文章やメールなど、形式がそろっていないもの
判断条件をすべて書いたものだけ書ききれない判断もするが、外れることがある
操作の仕方パソコンの画面操作を記録して再現するツールとして用意した検索、API、ファイル操作などを呼ぶ
結果の確かめ方ログで、どこまで処理しどこで止まったかを見る操作の履歴と出力の中身を人が確かめる

AIエージェントにも、画面を操作する作りはあります。Anthropic は、Claude がコンピューターを操作して仕事をする例を紹介しています。表は、よく使われる作り方の違いとして見てください。

うまく動かなくなる原因の違い

RPA

  • 操作する画面や帳票の仕様が変わる
  • 想定していない入力データが来る
  • 外部のWebサイトが予告なく変わる

AIエージェント

  • 指示を読み違える
  • 不正確な内容を出力する
  • 人の意図しない注文や削除をする

RPAの原因は、総務省のガイドブックが挙げるものです。AIエージェントの意図しない操作は、AI事業者ガイドラインの別添が挙げています。別添は、外部のシステムと連携する途中で、エージェントの動きが不正に操られ、内部のデータが外に送られるおそれも挙げています。

どちらも、止まったときや外れたときに人が気づける仕組みが要ります。ガイドブックは、RPAが止まったら、エラーの表示やログで、どこまで正しく処理しどこで止まったかを確かめると書いています。想定外の入力が来たときは、自動の処理を止めて人の判断を入れるか、飛ばして後で人が確かめる対策を、作る段階でとっておくよう勧めています。

RPAのままがよい仕事・AIエージェントが向く仕事

総務省のガイドブックは、RPAに向く業務として、定型的で複雑な判断を要しない業務、大量の処理を繰り返す業務、入力のもとになる情報が電子化されている業務などを挙げています。1件だけなら人の方が早いこともあり、同じ処理を何件も繰り返すときに真価を発揮すると書いています。

今の自動化を残すか、AIを足すか

その作業の判断は、条件として書ききれるか

書ききれる。入力の形式も決まっているRPAやマクロのまま動きが予測でき、確かめやすい
判断は書ききれるが、入力の形式がばらばら読み取りだけAIに任せる入力はRPAやワークフローが行う
手順の数や順番が毎回変わるAIエージェント取り消せない操作の前に人の承認を挟む

Anthropic も、手順が決まった仕事には予測しやすいワークフローを勧め、エージェントは手順を固定できない仕事に使うよう書いています。今のRPAが安定して動いているなら、無理に置き換える理由はありません。手順の決め方による分け方は、AIエージェントの種類で説明しています。

RPAとAIエージェントを組み合わせる形

総務省のガイドブックは、RPAと相性のよい技術としてAI-OCRを挙げています。紙の申請書をAI-OCRで読み取ってデータにし、RPAがシステムに入力する組み合わせです。AIエージェントでも同じ考え方が使えます。読んで判断する部分をAIに、決まった入力をRPAやワークフローに分けます。

読み取りと入力を分ける組み合わせ
  1. 11. メールや帳票が届く形式はそろっていない
  2. 22. AIエージェントが読み取る内容を分類し、必要な項目を取り出す
  3. 33. 人が確かめる外に影響が出る処理の前で止める
  4. 44. RPAやワークフローが入力する決まった手順どおりに登録する
  5. 55. 記録を残すどこまで処理したかを後から追える

n8n は、公式ドキュメントで、AIの機能と業務プロセスの自動化を組み合わせるワークフロー自動化ツールと説明されています。画面の操作を記録するのではなく、ノードでサービスの機能やAPIを呼び出してつなぎます。たとえば Microsoft Excel のノードは、OneDrive に保存したブックの表を読み書きします。

n8n では、AI Agent ノードが特定のツールを動かす前に、人の承認を求める設定もできます。公式ドキュメントは、データの削除、外部への送信、購入のような取り消せない操作に向く使い方として挙げています。経理の仕事での具体例は、経理のAIエージェントで扱います。

移行するときの確認事項

  • 今のシナリオとマクロの一覧:何を、どのシステムに、どの頻度で処理しているか。誰が直しているか
  • 判断の基準:人が見て決めている判断を、文章で書き出せるか
  • 認証情報の置き場所:IDやパスワードをシナリオの中に書いていないか
  • AIに渡す権限:読むだけか、書き込みや送信までか。必要最小限にしぼれるか
  • 例外のときの止め方:想定外の入力で、処理を止めて人に判断を求めるか
  • 履歴の確認:AIが行った操作を、定期的に見返す担当がいるか
  • 担当者の異動:作った人がいなくなっても、中身を説明できる文書があるか

ガイドブックは、RPAも一般的な情報システムと同じく、制度の改正や関連するシステムの仕様変更に合わせて、直し続ける必要があると書いています。AIエージェントに移しても、つなぐ先のサービスや社内の決まりが変われば、指示やツールの見直しが要ります。

認証情報について、ガイドブックはいくつかの対策を挙げています。シナリオファイルの閲覧と編集をパスワードで制限する、認証情報をアクセスが制限された場所に置く、ログインだけは自動にせず人が行う、といった方法です。AIエージェントにツールの鍵を渡すときも、同じ考え方で置き場所と使える人を決めます。

総務省のガイドブックは、管理されないまま放置されたRPAを「野良ロボット」と呼び、セキュリティ上のリスクにもなりうると書いています。AIエージェントも、管理する人と見直しの仕組みを先に決めておきます。AI事業者ガイドラインは、AIエージェントについて、人の判断を挟む仕組み、最小限の権限、定期的な操作履歴の確認を挙げています。導入の手順全体はAIエージェント導入の進め方で説明しています。

Employee Store でRPAの次の一手を探す

Employee Store は、開発者が作ったAIエージェント(AI社員)を、会社が導入できるマーケットプレイスです。カテゴリにはバックオフィスがあり、価格は買い切り・月額・初期費用+月額のいずれかです。決済は Stripe で行われ、月額の解約は取引ルームの契約管理から手続きできます。

掲載ページでは、どのシステムとどうつなぐか、どこで人の確認を挟むか、止まったときにどう分かるかを確かめます。購入後は、取引ごとのページで出品者とメッセージをやり取りし、今のRPAとの分担を擦り合わせられます。

よくある質問

RPAはAIエージェントに置き換えるべきですか?
安定して動いているRPAを、置き換える必要はありません。判断の条件を書ききれる定型の作業は、RPAの方が動きを予測しやすく確かめやすいからです。形式がそろわない入力の読み取りなど、RPAが苦手な部分にAIを足す形が考えられます。
VBAのマクロとAIエージェントはどう使い分けますか?
表計算ソフトの中で完結し、手順が決まっている作業はマクロで足ります。ほかのシステムとつなぐ作業や、文章を読んで判断する作業は、ワークフローやAIエージェントの方が合います。どちらも、作った人が異動しても中身が分かる文書を残してください。
n8n はRPAの代わりになりますか?
仕組みが違います。n8n は、ノードでサービスの機能やAPIを呼び出してつなぐワークフロー自動化ツールです。画面の操作を記録するRPAとは動かし方が違うため、つなぎたいシステムにAPIや対応するノードがあるかを先に確かめてください。

この記事を書いた人

Employee Store 運用局AIエージェントのマーケットプレイス「Employee Store」の運用チームです。ツールの機能や料金は各社の公式情報で確かめ、出典を記事の最後に載せています。誤りに気づいた方はお問い合わせからお知らせください。

出典

Ask AI

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