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AIエージェントで経理業務を自動化|領収書・仕訳と電子帳簿保存法

・ Employee Store 運用局

この記事のまとめ

領収書の読み取りや仕訳の下書きは、AIエージェントに任せやすい経理の作業です。一方で、経理のデータは税法で保存の方法が決まっています。この記事では、自動化の流れと、会計ソフトとのつなぎ方、法令で確かめることを順に説明します。

この記事のツールの機能と制度の内容は、2026年10月2日に公式ページと国税庁の資料で確かめたものです。税務の判断は、顧問の税理士や国税庁の窓口に確かめてください。

AIエージェントで経理の作業を自動化するときは、全部を任せるのではなく、読み取りと下書きを任せます。仕訳を確定する作業と、法令に合った保存の仕方を決める作業は人が持ちます。この分け方を前提に、経理業務のどこから始めるかを見ていきます。

経理で自動化しやすい作業・しにくい作業

自動化しやすいのは、形が決まっていて、結果を人が見比べられる作業です。領収書や請求書から日付・金額・取引先を読み取る作業、勘定科目の候補を出す作業、ファイルを決まった名前で保存する作業がこれに当たります。

自動化しにくいのは、判断に事情の説明が要る作業です。どの経費が事業に関係するか、どの税区分にするかが決まらない取引は、AIが候補を出しても人が決めます。決算の処理や税務の申告も、人が確定させます。

経理でAIに任せやすい作業と人が持つ作業

AIに任せやすい

  • 領収書から日付・金額・取引先を読む
  • 勘定科目の候補を出す
  • 決まった名前でファイルを保存する

人が持つ

  • 仕訳を確定する
  • 迷う取引の税区分を決める
  • 決算と申告

領収書の読み取りから仕訳までの流れ

流れは5つの段階に分けられます。受け取る、読み取る、下書きを作る、人が承認する、会計ソフトに登録する、の順です。どの段階でも、元のファイルは消さずに残します。

領収書から仕訳までの流れ
  1. 1受け取るメールの添付やフォルダへの保存で始める
  2. 2読み取る日付・金額・取引先・登録番号
  3. 3仕訳の下書きを作る勘定科目の候補を付ける
  4. 4人が承認する迷う取引はここで決める
  5. 5会計ソフトに登録する元のファイルも一緒に残す

n8n で組む場合

n8n で経理の流れを組む場合、Gmail Trigger や Google Drive Trigger で、メールやフォルダに届いたファイルを受け取れます。PDFの文字は Extract From File ノードで取り出せます。取り出した文から日付や金額を拾うには、Information Extractor ノードを使います。このノードは、欲しい項目を属性の説明やJSONの例、JSONスキーマで指定して、決まった形のデータにします。

n8n で領収書を扱うときは、読み取った結果と元のファイルを同じ行に記録します。表計算のシートに、ファイルの保存先、日付、金額、取引先、勘定科目の候補を並べておくと、人が承認するときに元のファイルをすぐ開けます。

Dify で組む場合

Dify で経理の流れを組む場合、LLM ノードが使えます。Dify の LLM ノードは、画像やドキュメントの入力と、JSON の形を決めた構造化出力に対応しています。領収書の画像を読むときは、画像を扱えるモデルを選びます。人の承認には、ワークフローを止めてフォームを届ける人間の入力ノードが使えます。フォームはメールでも送れ、受け取った人は承認や差し戻しを選べます。

会計ソフトとAPIでつなぐ

読み取った結果は、会計ソフトのAPIか、取り込み用のファイルで会計ソフトに渡します。主な3つのソフトで、公式の資料から確かめられた方法は次のとおりです。

会計ソフトへの渡し方(2026年10月確認)
ソフト公式の資料で確かめた方法AIエージェントからの使い方
freee会計会計APIで、ファイルボックス(証憑ファイル)へのアップロード、取引(収入・支出)の作成、経費申請の作成ができる領収書を証憑として上げ、取引の下書きを作る
マネーフォワード クラウド会計APIで仕訳や帳票データの取得・更新ができる。AIエージェント向けのMCPサーバーとAPIキーによる認証もある仕訳データを参照して、候補作りに使う
弥生会計 NextCSV形式またはテキスト形式の仕訳データを、弥生インポート形式でインポートできるn8n でCSVを作り、人が取り込む

AIエージェントと freee をつなぐ場合、最初は証憑のアップロードと取引の下書き作成から始めると、確定前に人が見られます。freee の会計APIの機能は、freee が公開しているAPIスキーマで確かめられます。マネーフォワード クラウドの開発者サイトは、APIキーをJWTに交換して呼び出す方式を、AIエージェントや自動化スクリプト向けと説明しています。n8n から呼ぶときは、HTTP Request ノードを使います。

マネーフォワードの開発者サイトには、2026年9月24日に、クラウド会計のAPIとMCPサーバーがAPIキーによる認証に対応したというお知らせが載っています。2026年8月3日には、クラウド会計が Anthropic の Claude の公式コネクタに対応したというお知らせもあります。AIエージェントとマネーフォワードをつなぐ方法は、この開発者サイトで最新の内容を確かめます。

弥生会計 Next は、決まった項目が決まった順に並んだインポートファイルを取り込みます。処理中の会計期間の外の日付は取り込めません。n8n の Convert to File ノードでCSVを作り、人が中身を見てから取り込む流れにすると、取り込みの前に確認を挟めます。APIでつなぐ方法はn8nの連携の仕方で説明しています。

電子帳簿保存法とインボイス制度で確認すること

国税庁の資料によると、電子取引の取引情報は電子データのまま保存しなければなりません。電子取引には、電子メールで取引情報を受け取る取引(添付ファイルを含む)や、Webサイトを通じて取引情報を受け取る取引などが含まれます。保存が必要なのは請求書だけでなく、注文書、契約書、領収書、見積書なども含みます。

  • 改ざんを防ぐ措置をとる。タイムスタンプ、訂正・削除の履歴が残るシステム、事務処理規程のいずれか
  • 保存したデータを見るためのディスプレイやプリンタを備える
  • 日付・金額・取引先の3つで検索できるようにする

検索できるようにする方法として、国税庁は、表計算ソフトで索引簿を作る方法と、日付・金額・取引先の順でファイル名を付けて特定のフォルダにまとめる方法を例に挙げています。AIエージェントに読み取らせた日付・金額・取引先を、そのままファイル名と索引簿に使えます。紙の領収書をスキャンして保存する場合は、スキャナ保存の要件を国税庁の資料で確かめます。

基準期間の売上高が5,000万円以下の場合などは、税務調査でデータのダウンロードの求めに応じられるようにしていれば、検索の要件を満たす必要はありません。また、原則のルールに対応できなかったことに相当の理由があると所轄税務署長が認め、ダウンロードと印刷した書面の提示の求めに応じられる場合は、データを保存しておくだけでよいとする猶予措置もあります。どれに当たるかは、国税庁の資料で確かめます。

インボイス制度では、仕入税額控除を受けるために、原則としてインボイスの保存が必要です。インボイスには、売手の登録番号、取引年月日、税率ごとの対価の総額と適用税率、消費税額などが書かれます。登録番号は、国税庁のインボイス制度公表サイトで確かめられ、サイトにはWeb-APIもあります。AIエージェントに登録番号を読み取らせ、公表サイトで照合する作業は自動化しやすい作業です。なお、インボイスがない仕入れでも、2031年(令和13年)9月末までは、仕入税額相当額の一定割合を控除できる経過措置があります。経過措置の扱いをどうするかは、AIに任せずに人が決めます。

人が確認する箇所の決め方

全件を人が見ると、自動化した意味が薄れます。どの取引を人に回すかを、条件で決めておきます。条件に当たらなかった取引も、月末に何件かを抜き出して元のファイルと見比べます。読み取りの間違いが見つかったら、その例を条件に足します。

人に回す取引を決める

その取引は、人の確認が要るか

読み取れない項目がある人に回す日付・金額・取引先のどれか
登録番号が公表サイトで見つからない人に回す取引先に確かめる
初めての取引先、または金額が社内の基準を超える人に回す基準は会社ごとに決める
どれにも当たらない下書きのまま登録する月末にまとめて確認する

AIエージェントに会計ソフトのどの操作を許すかも決めます。最初は、証憑のアップロードと下書きの作成だけを許し、確定や削除は許さない形から始めます。権限の考え方はAIエージェントの権限管理で、決まった操作をそのまま繰り返すRPAとの違いはAIエージェントとRPAの違いで説明しています。

Employee Store のバックオフィスカテゴリ

Employee Store は、開発者が作ったAIエージェントを、会社が導入できるマーケットプレイスです。カテゴリの1つにバックオフィスがあります。出品者は n8n や Dify のワークフロー、自社開発のエージェントなど、形式を問わず掲載できます。

価格は買い切り、月額、初期費用と月額のいずれかで、決済は Stripe です。購入後は取引ルームで出品者とメッセージをやり取りし、納品物を確かめて受領します。納品は原則3営業日以内で、過ぎた場合は返金されます。導入する前に、対応している会計ソフトと、どの操作まで自動で行うかを出品ページで確かめてください。

よくある質問

AIエージェントに仕訳を確定させてもよいですか?
最初は下書きの作成までにして、確定は人が行う形をおすすめします。読み取れない項目がある取引や初めての取引先など、人に回す条件を決めておくと、確認する件数を減らせます。
メールで受け取った請求書のPDFは印刷して保存すればよいですか?
電子取引の取引情報は、電子データのまま保存する必要があります。改ざんを防ぐ措置、見るための機器、日付・金額・取引先での検索の3つが原則のルールです。詳しくは国税庁の電子帳簿保存法の資料で確かめてください。
弥生会計 Next とAIエージェントをつなげますか?
弥生会計 Next は、CSV形式またはテキスト形式の仕訳データを弥生インポート形式で取り込めます。AIエージェントでインポート用のファイルを作り、人が確認して取り込む流れが組めます。

この記事を書いた人

Employee Store 運用局AIエージェントのマーケットプレイス「Employee Store」の運用チームです。ツールの機能や料金は各社の公式情報で確かめ、出典を記事の最後に載せています。誤りに気づいた方はお問い合わせからお知らせください。

出典

Ask AI

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