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AIエージェントの活用事例|公的資料から業務別に整理

・ Employee Store 運用局

この記事のまとめ

AIエージェントや生成AIを、行政や企業はどの業務に使っているのか。この記事では、国の白書と総務省の公開事例に載っている使い方を、業務別に整理します。事例を読むときの注意と、自社に当てはめる手順もあわせて説明します。

この記事の事例は、2026年10月2日に確かめた公的資料から引いています。事例の内容と成果は、各資料に書かれた範囲で紹介しています。導入の条件は組織ごとに違うため、詳しくは末尾の出典を確かめてください。

AIエージェントの活用事例を探すと、多くの情報が見つかります。ただし、出典がはっきりしないものや、条件が書かれていないものも混ざっています。この記事では、白書と総務省の公開資料に載っている事例だけを扱います。

事例を読むときの注意:出典と条件を見る

事例は、どの段階の話かによって読み方が変わります。白書の事例にも、本格的に運用しているもの、実証実験の段階のもの、今後の構想が混ざっています。情報通信白書は、紙幅などの事情から、全ての事例を網羅することは難しいと断っています。

事例の段階で読み方を変える

その事例はどの段階か

本格的に運用している自社の参考にしやすいかかった期間、費用、体制を確かめる
実証実験の段階条件つきで参考にする本番でも同じ結果になるとは限らない
今後の構想方向の参考にとどめるまだ成果ではない
  • 出典:公的資料か、企業の発表か、報道か。白書も企業の発表や報道を引用している
  • 条件:組織の規模、使ったツール、費用、検討から導入までの期間
  • 効果の測り方:実測か、アンケートか、推定か

効果の測り方の違いは、同じ資料の中にもあります。たとえば湖西市の事例では、議会答弁案を作る負担が3分の1になったという結果を、職員へのアンケートから示しています。山形市の事例では、生成AIが対応した相談の件数を人件費に単純に換算した見込みを示しています。どちらも、実際に測った作業時間とは性質が違います。

行政の公開資料に載っている使い方

総務省の情報通信白書(令和8年版)によると、デジタル庁は、政府職員が使える生成AIの環境「源内」について、2026年度に全府省庁の職員を対象とした大規模な実証を始め、2027年度に本格的な利用を始める予定です。

自治体の使い方は、総務省の地域DXポータルサイトにある自治体DX事例で読めます。多くは、職員の業務効率化を目的にした事例です。生成AIの活用に分類された事例は、次のとおりです。

  • 北海道当別町:文字起こしツールと生成AIの要約を組み合わせて議事録を作る。町は、会議時間の4倍ほどかかっていた作業が4分の1になったと説明している
  • 静岡県湖西市:IT調達の仕様書を作るアプリを導入し、作成時間が5分の1程度になった。用途別のチャットで、議会答弁案の作成などにも使う
  • 山口県山陽小野田市:行政専用ネットワーク(LGWAN)で使える生成AIアプリを民間企業と共同開発。市の条例や議会の議事録を参照させて答弁案などを作る
  • 愛知県日進市:あいさつ文やSNSの投稿文の作成、Excelのマクロ作成に使う。市独自のプロンプト集と活用事例集を作り、聞き方のコツを段階的に学べるようにしている
  • 山形県山形市:生成AIと専門スタッフを組み合わせた、24時間のLINE相談を行っている

総務省は「自治体における AI 活用・導入ガイドブック〈導入手順編〉」(第4版、2025年12月16日公表)で、導入の進め方や生成AIの利活用事例を紹介しています。白書に引かれた事例には、住民向けの使い方もあります。

  • 千葉県:生成AIのチャットボットが、相談者の入力から福祉の相談窓口を案内する。窓口では、相談の音声を個人情報を自動で伏せたうえで文字にし、職員が確認してから要約に使う
  • 岡山県西粟倉村:ワークショップで集めた住民の意見を生成AIに入力し、分野別の傾向や強み・弱みをまとめて議論に使う
  • 長崎県:利用者が日程や行きたい場所を入力すると、生成AIが観光のモデルルートを提案する

湖西市の用途別のチャットは、ChatGPT のカスタマイズ機能である My GPTs で作られています。OpenAI は、カスタムGPTを2026年12月11日に提供終了する予定です(延期が承認された Enterprise は2027年2月11日)。使っているツールの予定も、事例を読むときの条件のひとつです。

白書に載っている企業の使い方

情報通信白書(令和8年版)は、日本企業のAI活用事例を業務領域別にまとめています。AIエージェントに関わる例には、次のものがあります。

  • ロート製薬:調達管理や在庫管理など複数のAIエージェントを組み合わせ、サプライチェーンの最適化を目指す実証実験を2025年12月に始めると発表した
  • ダイキン工業:作業映像から空調機の点検・修理の抜け漏れを確かめる「熟練工AIエージェント」を自社で開発した。日立製作所と共同で、設備の異常が故障かどうかを答える「故障診断AIエージェント」も開発・導入している
  • キリンホールディングス:過去の会議の議事録などを読み込ませた「AI役員」を開発し、経営会議に議案を出す人が事前の壁打ちに使う
  • 中外製薬:「AI創薬」を中心に、生成AIを使って研究の進め方そのものを見直している
  • パナソニックホールディングス:シミュレーション技術とAIを組み合わせた「設計AI」で、設計の評価や形状の決定を自動化・高速化している

中小企業白書(2026年版)にも、生成AIを使った中小企業の事例があります。東京都新宿区で光学機器の輸入販売を行うオプトサイエンスと、石川県金沢市で部品の加工・組立てを行う岡田研磨です。次の業務別の整理で中身を紹介します。

業務別に整理:営業・経理・問い合わせ・開発

営業

明治安田生命は、AIを使った「デジタル秘書」をほぼ全従業員に提供し、面談記録の作成などを支えています。白書は、今後はAIエージェントが過去の面談の情報をもとに提案書を作る支援を構想していると紹介しています。オプトサイエンスでは、営業担当者が海外の論文の要約や英語マニュアルの翻訳に生成AIを使い、技術の知識を補っています。広告の商品選びとキャッチコピーの案にも使い、生成AIが示した情報は必ず事実を確かめているといいます。

経理・バックオフィス

ラクスは、領収書を選ぶだけでAIエージェントが精算データを作り、勘定科目などの入力も自動化する経費精算の機能を、2025年12月にベータ版として提供し始めました。作った申請が社内ルールに沿っているかを確かめる機能もあります。岡田研磨では、非エンジニアの専務が生成AIとの対話でアプリを作り、検査実績、在庫、労務、原価などを1つの管理システムにまとめました。

問い合わせ・顧客対応

ソフトバンクの子会社の Gen-AX は、電話の問い合わせに24時間365日対応し、システムの照会や登録まで行う「X-Ghost」を開発しています。応対するAIと、発話やシステムの動きを見張るAIを組み合わせています。イオンは、店舗の業務マニュアルを学ばせた従業員向けの「AIアシスタント」を、一部の店舗で導入しています。自治体では、神戸市が税に関する電話にボイスボットで答え、答えられないときは職員に転送する実証実験を行っています。

開発

NTTデータは、AIが要件定義書を作り、別のAIがプログラムを書き、人は点検と全体の管理に専念する「AIネーティブ開発」に取り組むとしています。伊藤忠テクノソリューションズは、要件定義の業務フローや書類の作成をAIが支援する「Acsim」を提供しています。白書は、要件定義の試作に1か月以上かかっていたものを1時間に短縮できると紹介しています。

業務別に見た使い方の型

営業

  • 記録と資料の下書き
  • 調べものと翻訳
  • 提案書の作成は構想の段階

経理・バックオフィス

  • 精算データの作成
  • 社内ルールとの照合
  • 社内アプリの自作

問い合わせ

  • 24時間の一次対応
  • 答えられないときは人へ
  • 従業員向けのマニュアル検索

開発

  • 要件定義の支援
  • プログラムの作成
  • 人は点検と管理

どの業務でも、AIが下書きや一次対応を担い、人が確認や判断を持つ形が多く見られます。AIエージェントに任せられる仕事の範囲は、AIエージェントにできることで整理しています。営業での使い方は営業のAIエージェントで詳しく説明しています。

事例を自社に当てはめる手順

事例をそのまま真似ても、同じ結果になるとは限りません。条件の違いを書き出してから試します。

事例を自社に当てはめる手順
  1. 1業務を1つ選ぶ時間がかかり、手順が決まっている仕事
  2. 2近い事例を探す同じ業務、近い規模の事例
  3. 3条件の違いを書くデータ、ツール、体制、費用
  4. 4小さく試す対象と期間を区切る
  5. 5測って決める精度と効果で判断する
  1. 業務を1つ選ぶ:時間がかかっていて、手順がある程度決まっている仕事を選ぶ
  2. 近い事例を探す:同じ業務で、規模や体制が近い事例を探す
  3. 条件の違いを書き出す:使えるデータ、ツール、社内の体制、かけられる費用を比べる
  4. 小さく試す:対象の部署と期間を区切って試す
  5. 測って決める:導入前後の作業時間と出力の正しさを比べ、続けるかを決める

進め方の参考になる記述もあります。当別町は、ChatGPT を使いこなしている職員で少人数のタスクフォースを作り、Microsoft 365 Copilot を検証しました。情報通信白書のヒアリングでは、中外製薬が、AI活用が比較的順調に進んでいる理由の一つとして、経営層の強いコミットメントを挙げています。

当別町や湖西市の事例には、検討開始から導入までの期間や年間の費用も載っています。自社で試す前に、こうした数字も見比べておきます。測り方はAIエージェントの評価方法で説明しています。

Employee Store で業務別に探す

Employee Store は、開発者が作ったAIエージェント(AI社員)を、会社が導入できるマーケットプレイスです。カテゴリは、営業支援、採用・スカウト、SNS運用、カスタマーサポート、バックオフィス、マーケティング、開発・データです。事例で見た業務に近いカテゴリから、導入できるAI社員を探せます。掲載中のAIはAI社員の一覧で見られます。価格は買い切り・月額・初期費用+月額のいずれかです。

よくある質問

AIエージェントの導入事例は、どこで探せますか?
国の資料では、総務省の情報通信白書、中小企業庁の中小企業白書、総務省の地域DXポータルサイトの自治体DX事例があります。事例ごとに、本格運用か、実証実験か、構想かを確かめて読みます。
自治体の事例は、民間企業の参考になりますか?
議事録の作成、文書の下書き、問い合わせへの対応など、民間と共通する業務の事例は参考になります。ただし、自治体は行政専用ネットワークなど独自の条件で使っている場合があります。条件の違いを書き出してから当てはめます。
事例と同じツールを使えば、同じ効果が出ますか?
同じになるとは限りません。効果は、扱うデータ、業務の手順、使う人の慣れによって変わります。対象と期間を区切って試し、自社で測った数字で判断します。

この記事を書いた人

Employee Store 運用局AIエージェントのマーケットプレイス「Employee Store」の運用チームです。ツールの機能や料金は各社の公式情報で確かめ、出典を記事の最後に載せています。誤りに気づいた方はお問い合わせからお知らせください。

出典

Ask AI

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