Difyの使い方|できることと最初のアプリの作り方
・ Employee Store 運用局

この記事のまとめ
Difyは、AIアプリを画面上で組み立てて公開できるオープンソースのツールです。この記事では、Difyでできることと始め方を整理し、最初のチャットボットを公開するまでの流れを説明します。内容は2026年10月に公式ドキュメントと料金ページで確かめました。
この記事は、Difyの使い方を初めて調べる人向けの入門です。用語は、公式ドキュメントの英語表記をそのまま使います。画面の名前も英語のまま書きます。
料金・上限・手順は、2026年10月2日に公式ページで確かめたものです。Difyは更新が多いツールです。使う前に、末尾の出典で最新の内容を確かめてください。
Difyとは:AIアプリを画面で組み立てるツール
Difyは、AIアプリを作るためのオープンソースのプラットフォームです。開発元は LangGenius で、ソースコードは GitHub で公開されています。
作業の場所は Studio と呼ばれる画面です。ノードと呼ぶ部品をドラッグして並べ、線でつないで処理の流れを作ります。作ったものはアプリとして公開できます。
ワークスペースの中で、作る、自社のデータを持たせる、公開する、使われ方を見る、という4つの作業ができます。チームで1つのワークスペースを共有して使えます。
Difyでできること:作れるアプリの種類
Difyで何ができるかは、作れるアプリの種類で見ると分かりやすくなります。新しくアプリを作るときに、最初に種類を選びます。公式ドキュメントは、Workflow か Chatflow を選ぶことを勧めています。
- Workflow:入力を受け取り、最初から最後まで1回で処理して結果を返す
- Chatflow:会話のたびに流れを動かして返事をする。会話ごとの変数を持てる
- Chatbot:モデルとプロンプトだけで作る、いちばん簡単な会話アプリ
- Agent:モデルが自分で考え、ツールを使う会話アプリ
- Text Generator:1回の入力から文章を作るアプリ
後の3つは基本アプリと呼ばれ、以前からある簡単な画面で作ります。中では、どれも同じワークフローの仕組みで動いています。
作りたいものは何か
アプリの種類のほかに、次の機能があります。
- ナレッジ:社内資料などを取り込み、アプリに検索・引用させる
- 公開:Webアプリ、Webサイトへの埋め込み、API、MCPサーバーとして出す
- 監視:利用状況とログを見て、回答を直す
- 連携:モデルの提供元、ツール、データソースをつなぐ
- DSL:アプリをYAMLファイルに書き出し、別の環境に取り込む
始め方:クラウド版とセルフホスト
Difyの始め方は2つあります。Difyが運営するクラウド版(Dify Cloud)を使うか、自分のサーバーに入れて動かすか(セルフホスト)です。
クラウド版
- cloud.dify.ai で登録するだけ
- 最初は Sandbox プラン
- サーバーの管理はいらない
- プランごとに上限がある
セルフホスト
- Docker Compose で入れる
- CPU 2コア以上、メモリ4GiB以上
- 更新と障害対応は自分で持つ
- Dify Open Source License に従う
クラウド版の始め方
cloud.dify.ai でアカウントを登録します。新しいアカウントは Sandbox プランから始まります。Sandbox には、OpenAI、Anthropic、Gemini などのモデルを呼べる200クレジットが付きます。このクレジットは1回だけの付与で、毎月は増えません。
| プラン | 料金 | メッセージクレジット | アプリ数 | メンバー |
|---|---|---|---|---|
| Sandbox | 料金がかからない | 200(1回のみ) | 5 | 1人 |
| Professional | 1ワークスペースあたり年590ドル | 毎月5,000 | 50 | 3人 |
| Team | 1ワークスペースあたり年1,590ドル | 毎月10,000 | 200 | 50人 |
Sandbox では、ログの保存期間は30日です。試すだけなら Sandbox で足ります。アプリを人に使ってもらう段階で、上のプランを検討します。
セルフホストの始め方
自分のサーバーで動かす版は Community Edition です。公式の手順では、CPU 2コア以上、メモリ4GiB以上が最低条件です。Docker と、バージョン2.24.0以上の Docker Compose が必要です。
- GitHub から Dify のソースコードを取得する
- dify/docker のフォルダに移る
- .env.example をコピーして .env を作る
- docker compose up -d でコンテナを起動する
- ブラウザで /install のページを開き、管理者アカウントを作る
セルフホストでは、更新、バックアップ、障害への対応を自分で行います。利用は Dify Open Source License に従います。このライセンスは Apache 2.0 をもとに、条件を追加したものです。
最初のアプリ:チャットボットを作って公開
初心者が最初に作るなら、Chatbot が手順の少ないアプリです。プロンプトとモデルを決めれば動きます。Chatbot は、1つの会話につき500件のメッセージか2,000トークンまでの履歴を保ちます。超えると古いものから消えます。
- 1モデルの提供元を入れるIntegrations の Model Provider から
- 2アプリを作るStudio で種類に Chatbot を選ぶ
- 3プロンプトを書く役割、答え方、してはいけないこと
- 4プレビューで試す最大4つのモデルを同時に比べられる
- 5Publish で公開Access Point のタブにURLが出る
プロンプトの書き方
プロンプトは、会話全体を通してモデルがどう振る舞うかを決めます。公式ドキュメントは、次の3点を書くよう勧めています。
- 役割:誰として、どんな口調で答えるか
- 出力の形:長さ、構成、書き方
- 制約:避けること、守るルール
相手によって答えを変えたいときは、変数を使います。たとえば役職や言語を変数にすると、会話の前に入力欄が出ます。短いテキストの変数は256文字まで入ります。何を書けばよいか迷うときは、Generate ボタンでAIに下書きを作らせることもできます。
試してから公開する
画面右のプレビューで、実際にメッセージを送って答えを確かめます。Debug as Multiple Models を使うと、最大4つのモデルの答えを並べて比べられます。
納得したら Publish を押します。WebアプリのURLは Access Point のタブに出ます。リンクを送れば、相手はすぐに使えます。公開すると、動いているアプリが今の設定に置き換わります。
モデルの設定とAPIキー
Difyのアプリは、どれもAIモデルの上で動きます。モデルの提供元は Integrations の Model Provider で入れます。管理できるのは、ワークスペースのオーナーと管理者だけです。
- クレジットで使う:対応する提供元を入れれば、APIキーなしで使える。1回のモデル呼び出しを1回と数え、減る量はモデルで変わる
- 自分のAPIキーで使う:提供元のカードで Setup を押し、キーを入れる。請求は自分の提供元のアカウントに来る
- 併用する:Usage Priority で、キーとクレジットのどちらを先に使うかを決められる
Default Models では、モデルを指定していないアプリやノードが使う標準のモデルを決めます。文章を作るモデルのほかに、ナレッジの検索に使う Embedding モデルなども設定します。
アプリの中で別のサービスのAPIキーを使うときは、環境変数に入れます。環境変数はアプリの外に保存されるため、DSLファイルで人にアプリを渡してもキーは含まれません。
次に覚えること:ナレッジとワークフロー
Chatbot を動かせたら、次の2つを覚えると作れるものが広がります。
- ナレッジ:社内のマニュアルやFAQを取り込み、その内容に沿って答えさせる
- Workflow と Chatflow:検索、条件分岐、コードの実行などをノードで組み合わせる
ナレッジの作り方はDifyのナレッジの作り方で、2つのアプリの違いはDifyのチャットフローとワークフローの違いで説明しています。n8n や GPTs との違いはn8n・Dify・GPTsの違いにまとめました。
作ったアプリを Employee Store に出品する
Employee Store は、開発者が作ったAIエージェントを、会社が買い切りや月額で導入できるマーケットプレイスです。形式は問いません。Dify のワークフローも掲載できます。1人(1社)で複数のAIを掲載できます。
掲載料と初期費用はかかりません。手数料は成約金額の20%で、成約したときだけ発生します。詳しくは出品者向けの案内をご覧ください。
よくある質問
- Difyはプログラミングができなくても使えますか?
- 多くの作業は、ノードを並べてつなぎ、設定を入れることで進められます。公式ドキュメントは、コードはロジック上必要なときだけ書けばよいと説明しています。Chatbot はプロンプトとモデルを決めれば動きます。
- Difyを始めるのに費用はかかりますか?
- Dify Cloud の Sandbox プランは料金がかかりません。200クレジットが1回だけ付き、アプリは5つまでです。自分のAPIキーを使う場合は、モデルの提供元から別に請求が来ます。
- クラウド版とセルフホストはどちらから始めるべきですか?
- 初めてなら、インストールのいらないクラウド版が手早く始められます。公式のクイックスタートもクラウド版を使っています。データを自分のサーバーに置く必要がある場合は、セルフホストを検討します。


