AIエージェントの作り方|ノーコードとコードの2通りで手順を解説
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この記事のまとめ
AIエージェントの作り方は、大きくノーコードとコードの2通りです。どちらを選んでも、最初に決めることは同じです。この記事では、n8n、Dify、OpenAI Agents SDK の公式ドキュメントと、Anthropic の解説記事をもとに、個人でも進められる手順を整理します。
この記事の機能・料金は、2026年10月2日に各社の公式ページで確かめたものです。機能やプランは変わることがあります。使う前に、末尾の出典から最新の内容を確かめてください。
AIエージェントは、AIモデルが自分で判断しながら、道具(ツール)を使って仕事を進める仕組みです。Anthropic の解説記事は、AIモデルとツールを決まった手順でつなぐものをワークフロー、AIモデルが自分で手順とツールの使い方を決めるものをエージェントと呼び分けています。どちらも、ここでいうAIエージェントの作り方で作れます。
作る前に決める3つ:任せる仕事・入力・出力
どの作成方法を選ぶ場合も、ツールを開く前に、3つのことを決めます。ここが決まっていないと、作りながら目的が変わり、試すたびに結果の良し悪しを判断できなくなります。
- 任せる仕事:1つの仕事に絞る。うまくいった状態を一文で書けるか確かめる
- 入力:何をきっかけに動き、どのデータを受け取るか。メール、フォーム、表計算の行など
- 出力:何をどこに返すか。人が確認してから外に出すのか、そのまま送るのか
Anthropic の記事は、まずできるだけ単純な方法を探し、必要なときだけ複雑にすることを勧めています。決まった手順で済む仕事なら、AIが自分で判断するエージェントにせず、ワークフローで十分な場合があります。
ノーコードで作る:n8n・Difyの流れ
ノーコードの代表は n8n と Dify です。どちらも画面上で部品をつないで作れます。非エンジニアでも始めやすい方法です。
n8n で作る流れ
- トリガーのノードを置く。チャットの受信、スケジュール、Webhook など
- AI Agent ノードを置く
- AI Agent ノードに、チャットモデルをつなぐ
- ツールのノードを少なくとも1つつなぐ。AI Agent ノードはツールが1つ以上必要
- 結果を送るノードをつなぎ、手動で実行して確かめる
n8n のドキュメントによると、AI Agent ノードは、つないだツールの中から、仕事に合うものを自分で選んで呼び出します。n8n には、ワークフローとは別に、エージェントを単独で作る機能もあります。この機能は2026年10月時点でプレビュー版です。詳しい手順はn8nでAIエージェントを作るで説明しています。
Dify で作る流れ
Dify では、Agent という種類のアプリを作れます。チャット形式で、AIモデルが考え、次にすることを決め、必要なときにツールを使います。会話の履歴は、1つの会話につき500メッセージか2,000トークンまで保たれます。
Dify のドキュメントは、Agent のプロンプトに書くこととして、次の5つを挙げています。
- 役割:どんな立場で、どんな専門知識を使うか
- 出力の形:構成、長さ、書き方
- 制約:避けること、守るルール
- ツールの使い方:どのツールを、どんな場面で使うか
- 進め方:複雑な仕事を、どの順番で進めるか
プロンプトには変数も入れられます。使う人が会話の前に値を入れると、その値がプロンプトに差し込まれます。分野や対象を変えて同じエージェントを使い回すときに便利です。
Workflow の中に Agent ノードを置く方法もあります。決まった順番の中で、1つの手順だけをエージェントに任せたいときに使います。Dify には、自分専用のサンドボックスでコマンドの実行やファイルの読み書きまで行う新しい Agent もあり、2026年10月時点でベータ版です。
コードで作る:SDKとフレームワークの流れ
コードで作る場合は、AIモデルの提供元が出しているSDKか、エージェント向けのフレームワークを使います。例として、OpenAI Agents SDK の流れを見ます。
- Python の環境で pip install openai-agents を実行して入れる
- 環境変数 OPENAI_API_KEY に、自分のAPIキーを設定する
- Agent に名前と指示(instructions)を書く
- Python の関数をツールとして渡す
- Runner で動かし、結果を確かめる
公式ドキュメントは、この SDK の基本の部品を3つに絞っていると説明しています。指示とツールを持つ Agent、ほかのエージェントに仕事を渡す Handoffs(またはエージェントをツールとして使う形)、入力と出力を検査する Guardrails です。動きを目で追える Tracing も入っています。
同じドキュメントは、SDK を使わずに Responses API を直接呼ぶ方がよい場面も挙げています。処理の繰り返しやツールの呼び出しを自分で管理したいとき、短い処理でモデルの応答を返すだけのときです。会話の管理、ツールの実行、ガードレールを任せたいときは、SDK が向いています。
Anthropic の記事は、フレームワークは始めやすい一方、裏側のプロンプトと応答が見えにくくなり、直しにくくなることがあると指摘しています。まずAIモデルのAPIを直接使い、フレームワークを使うなら中のコードを理解しておくことを勧めています。フレームワークの比べ方はAIエージェントのフレームワークにまとめています。
どちらで作るかの分かれ道
何を優先するか
迷ったら、ノーコードで最初の形を作り、限界が見えたところでコードに移る方法もあります。3つのツールの違いはn8n・Dify・GPTsの違いで比べています。
費用をかけずに試す方法
個人で作り方を覚える段階なら、費用をかけずに試せる方法があります。2026年10月時点の公式の情報です。
- n8n Cloud:14日間、Pro の機能を試せるトライアルがある
- n8n のセルフホスト:Community edition は料金がかからない。サーバーの準備と管理は自分で行う
- Dify Cloud:Sandbox プランは料金がかからない。アプリは5つまで。AIモデルを試すメッセージクレジットが200付き、毎月は増えない
- Dify のセルフホスト:Community Edition は、料金ページで料金がかからない版として載っている。売るものに使うなら、ライセンスの条件を確かめる
注意したいのは、AIモデルの利用料です。自分のAPIキーでモデルを呼ぶと、モデルの提供元から別に請求されます。試す段階では、短い入力で回数を決めて動かします。
試して直すときの手順
AIエージェントは、同じ入力でも結果が少しずつ変わります。1回うまくいっただけで終わりにせず、同じ入力で何度か試します。
- 1小さな入力を用意するふつうの例と、困る例の両方
- 2手動で動かす
- 3実行の記録を見るどのツールを、どの順で呼んだか
- 41か所だけ直すプロンプト、ツール、条件のどれか
- 5同じ入力でもう一度動かす
- 6公開する
- n8n:ノードの出力を固定(ピン留め)すると、外部サービスを何度も呼ばずに試せる。ピン留めしたデータは本番の実行では使われない
- n8n:失敗した実行のデータを、エディターに読み込んで直せる
- Dify:ノードを1つだけ動かして、入力・出力・時間・エラーを確かめられる
- Dify:実行ごとの記録で、どのノードがどの順に動いたかを追える
Anthropic の記事は、エージェントは自律的に動くぶん費用が増え、誤りが積み重なるおそれがあると説明しています。そのため、隔離した環境で十分に試し、適切な歯止め(ガードレール)を置くことを勧めています。メールの送信や支払いのように取り消せない操作は、試す間は止めておきます。
同じ記事は、エージェントを作るときの原則を3つ挙げています。設計を単純に保つこと、エージェントの計画の手順を見える形にすること、ツールの説明とテストを丁寧に作ることです。記事によると、エージェントの多くは、結果を見ながらツールを使うことをくり返すだけの仕組みです。そのため、ツールとその説明を分かりやすく作ることが欠かせないとしています。直すときは、プロンプトだけでなくツールの説明も見直します。
作ったAIを人に使ってもらうには
自作のAIエージェントは、公開して初めて人が使えます。n8n では、ワークフローを公開(Publish)すると、Webhook の本番用URLやスケジュールが動き始めます。Dify では、Webアプリ、API、Webサイトへの埋め込みなどの形で公開できます。
人に使ってもらうときは、次のことを説明できるようにしておきます。何を任せられるか、何を入力し何が返るか、どのアカウントやAPIキーが必要か、その費用を誰が払うか、です。
Employee Store は、開発者が作ったAIエージェントを、会社が買い切りや月額で導入できるマーケットプレイスです。形式は問いません。n8n や Dify のワークフロー、Claude や OpenAI の API を使った自社開発のエージェントなどを掲載できます。掲載料と初期費用はかからず、手数料は成約金額の20%で、成約したときだけ発生します。詳しくは出品者向けの案内をご覧ください。
よくある質問
- プログラミングができなくてもAIエージェントは作れますか?
- n8n や Dify のようなノーコードのツールなら、画面上で部品をつないで作れます。n8n では AI Agent ノードにチャットモデルとツールをつなぎ、Dify では Agent のアプリを作ってプロンプトとツールを設定します。
- 費用をかけずに作れますか?
- n8n と Dify には、料金がかからないセルフホスト版があり、Dify Cloud の Sandbox プランも料金がかかりません。n8n Cloud には14日間のトライアルがあります。ただし、自分のAPIキーでAIモデルを使うと、モデルの提供元から別に請求されます。
- ノーコードで作ったものを、あとからコードに移せますか?
- 同じ仕組みをコードで作り直すことはできます。最初にノーコードで任せる仕事・入力・出力を固めておくと、コードに移すときも同じ設計を使えます。
出典
- n8n Docs「AI Agent node」(2026年10月2日確認)
- n8n Docs「Build and manage agents」
- n8n Docs「Choose how to use n8n」
- n8n Docs「Pin and mock data」
- n8n Docs「Debug executions」
- n8n Docs「Save and publish workflows」
- Dify Docs「Agent」
- Dify Docs「Agent(新しいAgent、ベータ版)」
- Dify Docs「Single Node」
- Dify Docs「Run History」
- Dify Docs「30-Minute Quick Start」
- Dify「Pricing」(2026年10月2日確認)
- OpenAI Agents SDK(公式ドキュメント)
- Anthropic「Building effective agents」
- Employee Store「出品者向け案内」


