n8nでAIエージェントを作る|AI Agentノードとメモリ・ツールの仕組み
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この記事のまとめ
n8nでは、AI Agentノードにチャットモデル、メモリ、ツールをつなぐと、AIエージェントが作れます。この記事では、それぞれの部品の役割と、会話を受けるChat Triggerの設定、動作の確かめ方を説明します。内容は2026年10月に公式ドキュメントで確かめました。
n8nのAIエージェントは、ワークフローの中に置く1つのノードから始まります。ノードの名前は AI Agent です。この記事では、英語の画面表記をそのまま使います。
この記事の内容は、2026年10月2日に n8n の公式ドキュメントで確かめたものです。n8n はバージョンごとに画面や設定が変わります。使っているバージョンの公式ドキュメントもあわせて確かめてください。
AI Agentノードの役割
AI Agentノードは、n8nでAIエージェントを作るためのノードです。チャットモデルと1つ以上のツールをつなぐと、どのツールを呼ぶかをエージェントが自分で決めます。公式ドキュメントは、AI Agentノードには少なくとも1つのツールをつなぐ必要があると説明しています。
決まった順番で処理する仕組みは、n8nでは Chain と呼ばれます。Agent は、言語モデルを使って次に何をするかを決める点が違います。1回の実行の中でも、エージェントは何度も動きます。たとえば、ツールを呼ぶために1回、結果を確かめて返事をするためにもう1回、という具合です。
以前は、AI Agentノードでエージェントの種類を選べました。n8n 1.82.0 からこの設定は非推奨になり、すべて Tools Agent として動きます。種類を選べる古い版(v1)は、n8n 3.0 で削除される予定です。古いテンプレートを使うときは、ノードを最新の版に替えます。
チャットモデル・メモリ・ツールの3つをつなぐ
AI Agentノードは、ルートノードと呼ばれる親のノードです。下に、サブノードと呼ばれる部品をつなぎます。つなぐ部品は3種類です。
- チャットモデル:OpenAI、Anthropic、Google などのモデル。つながっていないと、Chat Model をつなぐよう求めるエラーになる
- メモリ:前のやり取りを覚えておく部品。つなぐと会話が続けられる
- ツール:検索、表計算、API など、エージェントが呼び出せる道具
AI Agentノードの主な設定
- Prompt:前のノードから自動で受け取るか、下に書くかを選ぶ。自動の場合は chatInput という名前の入力を待つ
- System Message:会話の前にエージェントへ渡す指示。役割や判断の方針を書く
- Max Iterations:答えを出すまでにモデルを動かす回数の上限。標準は10回
- Return Intermediate Steps:途中の手順を出力に含めるかどうか
- Require Specific Output Format:出力の形を決めたいときに、Output Parser をつなぐ
Chat Triggerで会話を受ける
チャットで話しかけるエージェントを作るときは、最初のノードに Chat Trigger を置きます。Chat Trigger には、エージェントかチェーンのノードをつなぐ必要があります。
料金の数え方に注意が要ります。Chat Trigger では、メッセージを受けるたびにワークフローが1回実行されます。1つの会話で10回メッセージを送ると、実行回数を10回使います。
公開と認証の設定
- Make Chat Publicly Available:作っている間は切っておき、公開するときに入れる
- Mode:Hosted Chat は n8n が用意した画面を使う。Embedded Chat は自分の画面から Chat URL を呼ぶ
- Authentication:なし、Basic Auth、n8n User Auth から選ぶ
- Response Mode:最後のノードが終わったら返すか、応答用のノードで返すか、ストリーミングで返すかを選ぶ
Authentication をなしにすると、URLを知っている人は誰でも使えます。社外に出す場合は、認証の設定を必ず確かめます。
ツールを持たせる:検索・スプレッドシート・HTTP
ツールは、エージェントが外の情報を取りにいったり、作業をしたりするための部品です。n8n には組み込みのツールのノードがあり、Wikipedia や SerpApi(Google 検索)などがあります。MCPサーバーをツールとしてつなぐこともできます。
公式ドキュメントが特に使い道が広いと紹介しているツールは、次の3つです。
- Call n8n Workflow Tool:別のワークフローをツールとして呼ぶ。公式の例では、Google スプレッドシートを読む処理を別のワークフローにして、エージェントから呼んでいる
- Custom Code Tool:エージェントが実行できるコードを書く
- HTTP Request Tool:Webサイトや API からデータを取る
Call n8n Workflow Tool では、Description にツールを使う場面を書きます。エージェントはこの説明を読んで、呼ぶかどうかを決めます。本番で動かすときは、呼ばれる側のワークフローも公開しておく必要があります。公開していないと、ツールの呼び出しはエラーになり、エラーの文がエージェントに返ります。
ツールの入力をAIに決めさせる
ツールの入力欄は、AIに埋めさせることができます。欄の右にあるボタンを押すか、$fromAI() という関数を式に書きます。たとえば、メールの件名をAIに決めさせる、といった使い方です。この関数は、AI Agentノードにつないだツールでだけ使えます。
危ない操作の前に人の承認を入れる
メッセージの送信やデータの削除など、取り消しにくい操作をするツールには、人の承認を挟めます。ツールの接続口から Human review を追加し、承認の連絡先を選びます。Slack、Telegram、Gmail などが選べます。承認されたときだけツールが動き、拒否されると操作は取り消されます。
承認が要るツールと、拒否されたときの答え方は、System Message にも書いておきます。公式ドキュメントも、そうするよう勧めています。
メモリの種類と選び方
メモリは、前のメッセージの履歴を保ち、会話を続けられるようにする部品です。メモリを使えるのはエージェントで、チェーンでは使えません。
いちばん手軽なのは Simple Memory です。今のセッションのチャット履歴を、決めた長さだけ保ちます。設定は2つです。
- Session Key:履歴を保存するときのキー。Chat Trigger を使うと、多くの場合は自動で受け取る
- Context Window Length:何回前までのやり取りを考えに入れるか
Simple Memory には注意点があります。n8n をキューモードで動かしている場合、本番のワークフローでは正しく動きません。同じワーカーに呼び出しが届く保証がないためです。また、Simple Memory のノードを複数置くと、標準では同じ履歴を共有します。分けたいときは、ノードごとに別のセッションIDを設定します。
どこで、どう動かすか
Postgres Chat Memory は、Postgres のデータベースに履歴を保存します。指定したテーブルがなければ、自動で作られます。Chat Trigger の Load Previous Session で前の会話を読み込む場合は、Chat Trigger とエージェントの両方を同じメモリにつなぐよう勧められています。
動作を確かめて直す方法
エージェントは、同じ質問でも答えや手順が変わることがあります。作ったら、決まった例で何度か試して、結果を見比べます。
- 1チャットで試す公開前は作業画面のチャットで動かす
- 2途中の手順を見るReturn Intermediate Steps を入れる
- 3エラーを直すモデル未接続、プロンプトなし、セッションIDなど
- 4例をまとめて流すEvaluations でテスト用の表を一度に流す
- 5公開するChat Trigger の公開と認証を設定
- No prompt specified:Prompt を下に書く設定に変え、前のノードの出力や固定の文を入れる
- No sessionId:Chat Trigger の出力に sessionId があるか確かめる。テスト中は固定のキーでも動くが、公開前にきちんと管理する
- Simple Memory のエラー:古い版のノードが原因のことが多い。消して入れ直すと最新の版になる
例をまとめて試すには、Evaluations の機能を使います。テスト用の入力と、期待する答えを、データテーブルか Google スプレッドシートに並べます。Evaluate all を押すと、1行ずつワークフローが動き、結果が表に書き戻されます。簡易版の評価は、n8n のクラウドでは全プランで使えます。
n8n そのものの基本はn8nの使い方で、エージェントに外部ツールをつなぐ仕組みはAIエージェントとMCPで説明しています。
作ったエージェントを Employee Store に出品する
Employee Store は、開発者が作ったAIエージェントを、会社が買い切りや月額で導入できるマーケットプレイスです。形式は問いません。n8n のワークフローも掲載できます。1人(1社)で複数のAIを掲載できます。
掲載料と初期費用はかかりません。手数料は成約金額の20%で、成約したときだけ発生します。詳しくは出品者向けの案内をご覧ください。
よくある質問
- n8nのAI Agentノードにツールをつながないと動きませんか?
- 公式ドキュメントは、AI Agentノードには少なくとも1つのツールのサブノードをつなぐ必要があると説明しています。ツールを使わず、決まった流れでモデルを呼ぶだけなら、Basic LLM Chain などのチェーンのノードも選べます。
- Simple Memory の会話はどれくらい覚えていますか?
- Context Window Length に入れた回数分の、前のやり取りを考えに入れます。保てるのは今のセッションの履歴です。キューモードの本番環境では正しく動かないため、その場合は Postgres Chat Memory などを使います。
- Chat Trigger の会話は実行回数にどう数えられますか?
- メッセージを受けるたびに、ワークフローが1回実行されます。1つの会話で10回メッセージを送ると、10回分の実行になります。契約しているプランの実行回数の上限を確かめてください。
出典
- n8n Docs「AI Agent node」
- n8n Docs「Tools Agent」
- n8n Docs「AI Agent node common issues」
- n8n Docs「Integrate AI」
- n8n Docs「What agents do」
- n8n Docs「How memory works」
- n8n Docs「How tools work」
- n8n Docs「Chat Trigger node」
- n8n Docs「Simple Memory node」
- n8n Docs「Simple Memory common issues」
- n8n Docs「Postgres Chat Memory node」
- n8n Docs「Call n8n Workflow Tool node」
- n8n Docs「Use AI for parameters」
- n8n Docs「Human-in-the-loop for tools」
- n8n Docs「Run quick evaluations」
- Employee Store「出品者向け案内」


