n8nの商用利用|ライセンスでできること・できないこと
・ Employee Store 運用局

この記事のまとめ
n8nは、自社の業務に使うことも、顧客のためにワークフローを作って料金を受け取ることもできます。一方で、顧客にワークフローを作らせるサービスにするには、別の契約が要ります。この記事では、2026年10月に n8n の公式ページで確かめた内容をもとに、商用での使い方の線引きを説明します。
この記事は、2026年10月2日に n8n の公式ページで確かめたライセンスと規約の内容をまとめたものです。法律上の助言ではありません。ライセンスや規約は変わることがあります。自分の使い方が当てはまるか迷う場合は、記事の最後にある n8n の窓口に確かめてください。
n8nの商用利用で最初に確かめるのは、どの版を使うかです。自分のサーバーで動かす版と、n8n が運営するクラウド版では、従う条件が違います。
n8nのライセンスの全体像
n8n は、Sustainable Use License と n8n Enterprise License の2つのライセンスを使っています。公式ドキュメントは、どちらも fair-code という考え方に基づくと説明しています。ソースコードは公開されていますが、一般的なオープンソースのライセンスとは条件が違います。
- Sustainable Use License:GitHub のメインのリポジトリにあるソースコードのほとんどに適用される。自分のサーバーで動かす版(Community edition)が対象
- n8n Enterprise License:ファイル名に .ee. が入ったソースコードなど、エンタープライズ向けの機能に適用される
- クラウド版:有料のサブスクリプションで、独自の規約に従う。ライセンスFAQはクラウド版には当てはまらない
n8n は、2022年3月17日までは Apache 2.0 に Commons Clause を加えたライセンスでした。公式ドキュメントは、コンサルティングやサポートのサービスを制限していた点をなくすために、今のライセンスを作ったと説明しています。
Sustainable Use License
- 自分のサーバーで動かす版
- 自社の業務、非商用、個人の利用
- 代行や保守の料金は受け取れる
Enterprise License
- エンタープライズ向けの機能
- 本番で使うには有効なライセンスが要る
- 開発とテストでは使える
クラウド版の規約
- n8n が運営するクラウド
- 自社の業務の目的に限る
- ワークフローは自分のもの
Sustainable Use Licenseで認められる使い方
LICENSE.md の制限は3つです。1つ目は、使ったり手を加えたりできるのは、自社の業務の目的か、非商用や個人の利用に限ることです。2つ目は、ほかの人に配ったり提供したりできるのは、非商用の目的で料金を取らない場合に限ることです。3つ目は、ライセンスや著作権の表示を変えたり消したりしないことです。
自社の業務の目的とは、どこまでを指すのか。ライセンスFAQは、社外の人がワークフローの結果を受け取ったり見たりする場合も含むと説明しています。ワークフローを作ったり変えたりするのが自分か自社の人だけなら、ライセンス料なしで使えるとしています。FAQが認められる例として挙げているのは、次のとおりです。
- 自社の事業を回すために使う
- 個人のプロジェクト、学習、研究に使う
- 顧客が作成や編集をできない形で、自分のインスタンスで顧客向けの自動化を作る
- ワークフローの作成、設定、保守の料金を顧客から受け取る
- 研修やコンサルティングの料金を顧客から受け取る
- 自分の製品の裏側で n8n を使い、利用者に自分が作った自動化を動かしてもらう。利用者が自分のアカウントをつないでもよい
- Community edition を複数動かす
FAQは、判断の軸は誰の認証情報を使うかではなく、誰がワークフローの中身を決めるかだと説明しています。作ってあるワークフローを、API や Webhook から呼び出して動かすことは問題ないとしています。
許可が必要になる使い方の例
ライセンスFAQは、Community の条件ではできないこととして、次の例を挙げています。
- n8n をサービスとしてホストし、顧客にワークフローを作らせる
- 自分の製品を通して、外部の利用者に自分のワークフローを作らせたり設定させたりする。独自の画面、n8n の API、MCP、利用者の代わりに動くAIエージェントのどれを通しても同じ
- n8n のコードをフォークして、自分の自動化の製品を出す
- n8n のブランドを外して、そのまま提供する
- ライセンスキーを求めるエンタープライズの機能を、Enterprise License なしで使う
FAQは、独自の画面をかぶせても判断は変わらないとしています。利用者が自分の自動化の中身を決め、ワークフローを作る機能が製品の価値の中心なら、認められません。この形の製品を作りたい場合は、n8n と別の商用契約を結びます。
顧客は n8n で何ができるか
作ったワークフローを売る・納品する場合
ライセンスFAQは、n8n 本体をどう使うかについての説明です。ワークフローのファイルそのものの売り買いには、直接触れていません。売るときは、納品の形ごとに、誰の n8n でワークフローが動くかを確かめます。
| 納品の形 | 公式の説明 |
|---|---|
| 自分の n8n で動かし、結果だけを渡す | FAQは、顧客が n8n の画面やワークフローに触れない代行を認めている。1つのインスタンスで何社に提供してもよい |
| 顧客のサーバーに n8n を入れ、設定と保守を請け負う | FAQは、自分がホスティングも提供するのでなければ、導入、設定、ワークフローの作成、保守の料金を受け取れるとしている |
| ワークフローのファイルを渡し、顧客が自分の n8n で動かす | 顧客は自分の n8n を、その版の条件で使う。どの版で動くかを導入手順に書いておく |
| 自分の n8n に顧客を招き、ワークフローを作らせる | FAQは、Community の条件ではできない例に挙げている |
顧客のサーバーに n8n を入れ、顧客が自分の認証情報を入れて使う製品については、FAQは認められるとしつつ、グレーな領域になりうると書いています。顧客が手元で触れる以上、ワークフローを作れないようにするのは難しいためです。この形で売る場合は、出す前に n8n に構成を確かめるよう求めています。
テンプレートとして公開する道もあります。n8n の Creator hub では、承認されたテンプレートが3件になると、有料のテンプレートを公開できるようになります。販売の経路の比べ方は自作AIエージェントを売る方法で説明しています。
エンタープライズ版とクラウド版の規約
Enterprise License
Enterprise License の対象のソフトウェアは、本番で使うには、使い方に合った有効な Enterprise のライセンスが必要です。開発とテストの目的なら、サブスクリプションなしでコピーし、手を加えられます。それ以外で、コピー、公開、配布、再許諾、販売をすることは認められていません。
クラウド版
有料のセルフサーブのプランには、n8n Self-Serve Terms が適用されます。この規約は、クラウドのサービスを使えるのは自社の業務の目的に限るとしています。第三者に譲渡、販売、配布、貸与、再許諾することはできません。エンタープライズの顧客には、別の Master Enterprise Terms があります。
作ったワークフローは、規約の上では顧客のコンテンツです。権利は自分に残り、初期設定では非公開です。ただし、フォーラムなどで公開したワークフローは、ほかの利用者が自分のプロジェクトで使い、手を加えられるものになります。売る予定のワークフローは、公開の場に出す前に扱いを決めておきます。
迷ったときの確認先
公式ドキュメントは、自分の使い方が自社の業務の目的にあたるか分からない場合は、FAQを確かめるか、ライセンスの窓口(license@n8n.io)に問い合わせるよう案内しています。商用ライセンスの相談は、営業の窓口(sales@n8n.io)です。複数の顧客の環境で n8n を管理するためのパートナーの制度も、準備中だとしています。
- 1LICENSE.md の3つの制限を読む
- 2FAQの例に当てはめる誰がワークフローの中身を決めるか
- 3ライセンスの窓口に聞くlicense@n8n.io
- 4商用契約を相談するsales@n8n.io
Employee Store は、開発者が作ったAIエージェントを、会社が買い切りや月額で導入できるマーケットプレイスです。n8n のワークフローも掲載できます。掲載料と初期費用はかかりません。手数料は成約金額の20%で、成約したときだけ発生します。出品するときは、どの形で納品し、買い手がどの版の n8n で動かすかを説明に書いておくと、買い手が導入を判断しやすくなります。書き方はAIエージェントの説明の書き方で説明しています。
よくある質問
- n8n を会社の業務で使うのにライセンス料はかかりますか?
- 自分のサーバーで動かす Community edition を、自社の業務の目的で使う場合は、ライセンス料はかかりません。ライセンスFAQは、ワークフローを作ったり変えたりするのが自分や自社の人だけなら、この条件で使えるとしています。クラウド版は有料のサブスクリプションです。
- 顧客のためにワークフローを作って料金を受け取ってもよいですか?
- ライセンスFAQは、ワークフローの作成、設定、保守の料金を顧客から受け取ることを認めています。顧客が n8n の画面に触れず、ワークフローの中身を変えられない形にしておくことが条件です。
- n8n を組み込んだサービスで、利用者にワークフローを作らせたいです。
- Community の条件ではできません。FAQは、独自の画面、API、MCP、AIエージェントのどれを通しても、利用者がワークフローを作る形は認めていません。n8n の営業の窓口に、商用ライセンスを相談してください。


