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AIエージェントの普及率|日本企業の利用状況を公的調査で見る

・ Employee Store 運用局

この記事のまとめ

日本企業でAIはどのくらい使われているのか。公的な調査を3つ並べると、同じ「AIの利用」でも3割から8割台まで数字が分かれます。この記事では、調査ごとの対象と質問の違いを押さえたうえで、AIエージェントと生成AIの利用状況を一次情報の数字で整理します。

この記事の数字は、2026年10月2日に総務省、IPA(情報処理推進機構)、中小企業庁の公表資料で確かめたものです。調査の時期と対象は本文に書いています。最新の版は末尾の出典から確かめてください。

AIエージェントの普及率だけを測った公的な統計は、2026年10月時点で多くありません。多くの調査は、生成AIやAI全体の利用を尋ねています。その中で、IPAの調査はAIエージェントを部署ごとに尋ねています。この記事では、AIエージェントの数字と、その土台になる生成AIの数字を分けて見ていきます。

数字を見る前に:調査ごとの定義の違い

AIの利用率は、誰に、何を、いつ尋ねたかで変わります。この記事で使う3つの調査は、次のように条件が違います。

この記事で使う公的調査(2026年10月確認)
調査尋ねた相手時期尋ねたもの
総務省 令和8年版 情報通信白書従業員10名以上で、2025年までにデジタル化を始めた企業の管理職以上。日本は515人2026年1月〜2月生成AI
IPA「DX動向2026」企業の経営層またはICT関連部門。1,799社2026年4月中旬〜6月中旬AI(生成AIを含む)、生成AI、AIエージェント
中小企業庁 2026年版 中小企業白書中小企業。帝国データバンクの令和7年度の調査令和7年度2019年以降の省力化投資としてのAI活用(画像認識、生成AIなどを含む)

総務省の調査は、インターネット調査会社のモニターから回答者を選んでいます。しかも、すでにデジタル化を始めた企業に勤める人が対象です。そのため、日本の企業全体の割合とは読めません。どの数字を使うときも、対象を一緒に書き添えます。

同じ「AIの利用」でも調査で数字が変わる
30.3%44%58%86.4%
  1. 30.3%AI活用に取り組んだ中小企業中小企業白書
  2. 44%生成AIを導入している企業IPA DX動向2026
  3. 58%AIを導入または試験利用している企業IPA DX動向2026
  4. 86.4%生成AIを何らかの業務で利用している情報通信白書。管理職への調査

対象と質問が違うため、横に並べて比べる数字ではない

情報通信白書で見る企業の生成AI利用

令和8年版情報通信白書によると、自社の何らかの業務で生成AIを利用していると答えた割合は、日本で86.4%でした。前年度の調査では55.2%で、大きく上がっています。

生成AIを積極的に活用する、または領域を限って活用する方針だと答えた割合は、合計で68.9%でした。前年度の49.7%から上がっています。企業規模別では、大企業で74.0%、中小企業で58.1%でした。

一方で、生成AIによる業務の変革に組織として取り組んでいないと答えた割合は27.0%でした。白書は、この割合が米国、ドイツ、中国より目立って高く、中小企業で特に高い傾向があると書いています。使ってはいても、個人の工夫にとどまっている会社が少なくないと読めます。

業務の種類で見ると、活用の回答が最も多いのは議事録・メール作成補助で約7割でした。次いで営業・販売が約6割、社内ヘルプデスクが約5割です。懸念されるリスクでは、社内情報の漏えいなどのセキュリティが最も多く挙がりました。

同じ白書の個人向け調査では、業務や日常生活で生成AIサービスを使っている(使ったことがある)と答えた人は、日本で58.8%でした。前年度の調査では26.7%です。会社の方針より先に、働く人の側で使い始めている様子がうかがえます。

IPAの調査で見るDXとAIの取り組み

IPAのDX動向2026では、AI(生成AIを含む)を導入していると答えた企業が42.3%、試験利用している企業が15.7%で、合わせて58.0%でした。従業員規模別に見ると、100人以下の企業では、AIに関心はあるがまだ予定はないという回答が34.6%ありました。生成AIに絞ると、導入していると答えた企業は、2024年度の22.6%から2025年度の44.0%に増えています。

生成AIの使われ方は、個人の利用が中心です。個人で業務利用しているが63.3%だったのに対し、部署の業務プロセスに組み込まれているは11.9%、全社的なサービスに組み込まれているは18.6%でした。

用途では、文書・音声の要約・翻訳・校正が82.5%で最も多く、文書・レポートの作成が80.5%、情報検索・収集・分析・レポーティングが77.0%と続きます。一方、生産・物流・サービス提供の計画支援は6.0%、自社製品・サービスの高度化は10.9%でした。IPAは、AIの成果は業務の効率化など内向きのものが中心で、顧客満足度や売上の向上といった外向きの効果は限られているとまとめています。

AIエージェントの利用は部署ごとにまだ低い

IPAは、生成AIを導入、試験利用、または検討している企業に、部署ごとのAIエージェントの利用も尋ねています。最も高いのはITシステムの部署で19.4%でした。総務・法務と研究・開発が10.1%、営業(顧客対応を含む)が8.1%で、最も低い流通は2.4%です。IPAは、AIエージェントの利用はいずれの部署でも低い水準にとどまっているとまとめています。

部署別のAIエージェント利用(IPA DX動向2026)
2.4%8.1%10.1%19.4%
  1. 2.4%流通最も低い
  2. 8.1%営業(顧客対応を含む)
  3. 10.1%総務・法務、研究・開発
  4. 19.4%ITシステム最も高い

生成AIを導入・試験利用・検討中の企業が対象

中小企業白書で見る中小企業のAI活用

2026年版中小企業白書の概要は、約3割の中小企業がAI活用に取り組んだとまとめています。帝国データバンクの調査で、2019年以降の省力化投資としてAI活用に取り組んだと答えた割合は、回答全体(5,645件)の30.3%です。活用している部門としては、バックオフィス部門や営業・販売・顧客対応部門が挙げられています。

AI活用に取り組んでいない3,888件に理由を尋ねた結果では、最も多かったのは「活用する業務がイメージできていない」で63.4%でした。次いで「活用を推進する人材が不足している」が40.0%、「社内ルール・ガイドラインが整備されていない」が26.2%です。中小企業が使える公的な支援は中小企業のAI導入でまとめています。

海外との比べ方

情報通信白書は、同じ質問を米国、ドイツ、中国でも尋ねています。生成AIを何らかの業務で利用している割合は、日本86.4%、米国90.9%、ドイツ91.6%、中国98.1%でした。白書は、日本と他の3か国との差が縮まったとしています。一方、生成AIを活用する方針を定めている割合では、日本は前年度より上がったものの、他の3か国より低い結果でした。日本は全体に、業務の種類ごとに見ても未導入やわからないという回答が多い傾向があります。

ただし、回答者の数は日本が515人、他の3か国が309人ずつです。回答者は各国のモニターから選ばれた管理職以上です。国ごとの差を読むときは、利用しているかどうかより、組織的な取り組みの有無や業務の種類ごとの差に目を向けると、自社の参考にしやすくなります。

市場規模の数字を読むときの注意

AIエージェントの記事では、普及率と一緒に市場規模の数字もよく見かけます。市場規模は、普及率とは別のものです。何社が使っているかではなく、売上や支出の合計を推計した数字です。

  • 出典を確かめる:情報通信白書の市場規模の図も、民間の調査会社のデータをもとに作られている
  • 範囲を確かめる:たとえば白書が引用するAIプラットフォーム市場は、AIのライフサイクルを支えるソフトウェアなどを含む独自の定義になっている
  • 実績か予測かを確かめる:将来の年の数字は予測で、前提が変われば数字も変わる

市場が大きいことは、自社で効果が出ることを意味しません。導入を決める材料には、同じ業種や規模の会社がどの業務で使っているかという数字のほうが役に立ちます。

自社の検討に使える数字の選び方

数字を検討に使うまでの手順
  1. 1近い対象の調査を選ぶ企業規模と業種が近いもの
  2. 2質問の言葉を確かめる生成AIか、AI全体か、AIエージェントか
  3. 3時期と回答者を書き添える社内資料に数字だけを書かない
  4. 4業務の単位に落とすどの業務で使われているかを見る

社内で説明するときは、利用率の高さより、業務ごとの使われ方が役に立ちます。情報通信白書で多いのは議事録・メール作成補助、IPAの調査で多いのは文書の要約・翻訳・校正です。AIエージェントの利用はまだ低い水準ですが、ITシステムの部署で先に進んでいます。

どの業務から始めるかはAIエージェントの活用事例が参考になります。AIエージェントの基本はAI社員とはで説明しています。Employee Store では、開発者が作ったAIエージェントを、仕事内容、対応ツール、価格を見比べて導入できます。

よくある質問

日本企業のAIエージェントの普及率はどのくらいですか?
AIエージェントだけを全国で測った公的な統計は多くありません。IPAのDX動向2026では、生成AIを導入・試験利用・検討中の企業のうち、AIエージェントを使っている割合はITシステムの部署で19.4%、流通で2.4%でした。IPAは、どの部署でも低い水準とまとめています。
生成AIを使っている日本企業の割合はどのくらいですか?
調査によって違います。令和8年版情報通信白書では、管理職への調査で86.4%が何らかの業務で生成AIを利用していると答えました。IPAのDX動向2026では、生成AIを導入していると答えた企業は44.0%でした。対象と質問が違うため、数字をそのまま比べないでください。
AIエージェントの市場規模の数字は信用できますか?
多くは民間の調査会社による推計や予測です。どの範囲を市場に数えているか、実績か予測かを確かめてから使ってください。市場規模は、自社で効果が出るかどうかを示す数字ではありません。

この記事を書いた人

Employee Store 運用局AIエージェントのマーケットプレイス「Employee Store」の運用チームです。ツールの機能や料金は各社の公式情報で確かめ、出典を記事の最後に載せています。誤りに気づいた方はお問い合わせからお知らせください。

出典

Ask AI

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